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2011/10/5

経済産業情報

フランクフルト空港に追い風、英ヒースローの処理能力が限界に

この記事の要約

欧州最大の空港であるロンドン・ヒースローの処理能力が限界に達している。空港拡張が騒音問題で不可能になったことを受け、新興国向けのフライト需要拡大に対応できなくなるためで、フランクフルト空港やシャルル・ドゴール(パリ)空港 […]

欧州最大の空港であるロンドン・ヒースローの処理能力が限界に達している。空港拡張が騒音問題で不可能になったことを受け、新興国向けのフライト需要拡大に対応できなくなるためで、フランクフルト空港やシャルル・ドゴール(パリ)空港などの競合空港は発着枠を増やしてシェアを奪取。ヒースローは今後10年以内にトップの座を明け渡し3位に転落する見通しだ。英経営コンサルタント大手のFrontier Economicsがこのほど発表したレポートで明らかにした。

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ヒースロー空港は処理能力拡大に向けて第3滑走路の建設を計画していた。だが、キャメロン政権は2010年5月、騒音問題を理由に建設計画の中止を決定。空港拡張の可能性を閉ざした。

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一方、競合するシャルル・ドゴール空港は滑走路を4本持つ。フランクフルト空港も今月末から第4滑走路の運用を開始し、発着処理能力をこれまでの1時間80本から120本以上に拡大する。

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Frontierがヒースロー空港を運営するBAAの委託で実施した調査によると、同空港はすでに中国などの新興国へのアクセスで競合空港に後れをとっている。フランクフルト空港から新興国に向かう便は1日27便、パリからも同25便に上るのに対し、ヒースローからは22便にとどまる。さらに、マニラ、広州、ジャカルタなど新興国10カ国の主要空港と結ぶ直行便が就航していない。直行便が就航している新興国と英国企業との貿易規模が直行便のない国の20倍に上ることを踏まえると、直行便の欠如に伴う経済損失は12億ポンドに達する計算という。

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