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2012/5/23

総合 - ドイツ経済ニュース

メルケル首相が環境相解任

この記事の要約

ドイツのメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU=)は16日、ノルベルト・レットゲン環境相(CDU)の解任をガウク大統領に要請した発表した。同環境相はCDUが大敗した13日のノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州議 […]

ドイツのメルケル首相(キリスト教民主同盟=CDU=)は16日、ノルベルト・レットゲン環境相(CDU)の解任をガウク大統領に要請した発表した。同環境相はCDUが大敗した13日のノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州議会選挙にトップ候補として参戦しており、詰め腹を切らせた格好。後任にはメルケル首相の側近のペーター・アルトマイヤー院内幹事が22日付で就任した。

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レットゲン環境相は原子力発電の廃止を前倒しし再生可能エネルギーの拡充を加速する「エネルギー転換政策」を主導した政治家で、メルケル首相は記者会見でその功績を称えた。だが、同環境相は与党内に敵が多く、州議選の歴史的な敗北をきっかけに辞任要求が一気に噴き出していた。メルケル首相は選挙直後は留任させる意向を示していたが、かばいきれなかったもようだ。メディア報道によると、首相は当初、環境相に自発的な辞任を要請、受け入れられなかったため解任に踏み切ったという。

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産業界は今回の決定を歓迎している。エネルギー転換政策の取り組みが停滞し、電力の安定供給などに懸念が生じているためで、独産業連盟(BDI)のハンスペーター・カイテル会長は「エネルギー転換政策が成功するかどうかは今後数カ月にかかっている」と発言。アルトマイヤー次期環境相に期待感を示した。

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