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2012/8/1

企業情報

RWE AG―洋上風力パーク計画を延期―

この記事の要約

エネルギー大手の独RWE(エッセン)は洋上風力発電パークの設置計画を先送りする。法的な枠組み作りが遅れており、見切り発車で建設を強行するとリスクが大きいためだ。再生可能エネルギー子会社RWE Innogyのハンス・ビュン […]

エネルギー大手の独RWE(エッセン)は洋上風力発電パークの設置計画を先送りする。法的な枠組み作りが遅れており、見切り発車で建設を強行するとリスクが大きいためだ。再生可能エネルギー子会社RWE Innogyのハンス・ビュンティング社長が経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにした。

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RWEは30億ユーロを投じて北海のユイスト島の沖合40キロメートルの海域に世界最大級の風力発電パーク「Innogy Nordsee 1」を建設する計画。風力タービン数は162基で、発電能力は計1,000メガワット(MW)に上る。これはドイツ政府が2020年までに確保予定の洋上風力発電能力(1万MW)の10%に相当する。

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RWEは同パークを建設するかどうかを今年下半期に最終決定する予定だったが、現状では来年初頭以降への延期が避けられないという。

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洋上風力発電をめぐっては、発電設備が設置されたにもかかわらず送電網に接続できない場合に発電事業者と送電網事業者のどちらが責任を負うかについてルールが制定されていない。政府はその準備を進めているものの、法制化されないと事業リスクが大きいため、事業者は投資を見合わせざるを得ない状況だ。

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RWEでは北海に現在建設中の風力発電パーク「Nordsee Ost」でも、稼働開始が1年半~2年遅れる見通しとなっている。送電網敷設を担当するTennetの工事が遅れていることが原因。RWE Innogyのビュンティング社長は、法的枠組みが速やかに明確化されない限り、新規プロジェクトを実行できないとの立場を強調した。

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