欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/8/8

経済産業情報

独バイオディーゼル業界、生産急減

この記事の要約

独バイオディーゼル業界が苦境に立たされている。独バイオ燃料産業連合会(VDB)によると、2012年4-6月期の国内生産量は47万5,000トンで、前年同期(63万6,000トン)の4分の3に減少。工場稼働率は75%から5 […]

独バイオディーゼル業界が苦境に立たされている。独バイオ燃料産業連合会(VDB)によると、2012年4-6月期の国内生産量は47万5,000トンで、前年同期(63万6,000トン)の4分の3に減少。工場稼働率は75%から58%に落ち込んだ。アルゼンチンやインドネシアからの安価な輸入品が急増しているためで、産業基盤が揺らぎかねない状況だ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が独自入手した資料を元に報じた。

\

アルゼンチンやインドネシアからの輸入急増の背景は、両国政府が進める農産物輸出促進政策がある。特に深刻な打撃を与えているのはアルゼンチンで、大豆の輸出関税を35%(VDB調べ)に引き上げる一方、大豆を原料とするバイオ燃料については「差別的輸出関税(DET:原料を加工した製品の輸出税率を原料そのものの税率より低く設定すること)」を適用し、14%に据え置いて輸出を奨励している。

\

インドネシア政府もDETによってバイオ燃料輸出を支援しており、欧州企業が原料を輸入して域内でバイオディーゼル油に加工するより完成品を購入する方が安くなっている。この結果、欧州連合(EU)向け輸出量は右肩上がりで増加し、今年1-6月期だけで170万トンを記録。輸出高は10億ドルに達した。ドイツのバイオ燃料メーカーは安価な輸入品に太刀打ちできず、VDB加盟22社の利益は3分の1に激減したという。

\