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2012/8/8

経済産業情報

バッテリー上がりの早期警告システム開発

この記事の要約

カーバッテリーの容量低下や充電不足を早期に検出し、ドライバーに警告することでバッテリー上がりによるエンジン始動不良などのトラブルを未然に防ぐバッテリー管理システムを、ボーフム大学(RUB)と自動車向け精密部品メーカーIs […]

カーバッテリーの容量低下や充電不足を早期に検出し、ドライバーに警告することでバッテリー上がりによるエンジン始動不良などのトラブルを未然に防ぐバッテリー管理システムを、ボーフム大学(RUB)と自動車向け精密部品メーカーIsabellehuette Heuslerの産学研究チームが開発した。使用中のバッテリーの状態と過去の消費電力実績から、次回のエンジン始動が可能かどうかを割り出し、必要に応じて交換などの処置を促す。

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全ドイツ自動車クラブ(ADAC)によると、2011年の路上故障原因のトップはバッテリーやジェネレータ、セルモーターなどの電気・電子系統(41.2%)だった。なかでもバッテリーは「ある日突然やってくる」トラブルとして知られており、出先で急にエンジンがかからなくなり途方に暮れるドライバーは多い。

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RUBのエネルギーシステム技術・メカトロニクス性能ワーキンググループとIsabellenhuetteの協同チームはこうした状況を踏まえ、充電不足や放電過多、容量低下を早期に検知するシステムの開発に着手した。開発リーダーを務めたRUBのSourkounis教授は「どんなカーバッテリーも劣化が避けられない以上、状態をモニタリングすることでトラブルを未然に回避するのが実用的と考えた」と説明する。

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同チームが開発したバッテリー管理システムの目玉は、エンジンを切る前に次回のエンジン始動が可能かを知らせる機能だ。

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また、バッテリーを交換あるいは設置するとボードコンピューターを通してそれを認識。最初の走行に際して電力消費状態などのデータを自動的に収集するため、自動車整備工場などで学習機能を設定し直す必要はないという。

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