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2012/8/8

経済産業情報

SAPがオラクルに3億ドル支払いで合意、不正ダウンロード事件で

この記事の要約

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、SAPはオラクルに3億600万ドルを支払うことで合意した。裁判所が同合意を承認すると正式に発効する。S […]

ソフト大手の独SAPが米子会社を通して競合オラクルのコンピューターからソフトウエアを不正にダウンロードしていた事件で、SAPはオラクルに3億600万ドルを支払うことで合意した。裁判所が同合意を承認すると正式に発効する。SAPは今回の合意で係争が最終的に終了するとしている。これに対しオラクルはなおも争う可能性を示唆、両社の見解は一致していない。

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オラクルのソフトを不正にダウンロードしていたのはSAPが2005年に買収したソフトメインテナンス会社TomorrowNow。TomorrowNowはオラクルが同年に買収したピープルソフトのメンテナンスを専門に手がけてきた経緯があり、SAPはTomorrowNowを買収することで、オラクルによるピープルソフト買収でサービスの先行きに不安を持つピープルソフト顧客の取り込みを図った。

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TomorrowNowはオラクルから奪った顧客企業に対するメンテナンス業務を進めるなかで不正ダウンロードを行っていた。SAPはオラクルから提訴された07年春の時点で容疑を否認していたものの、後に責任を認めた。

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賠償金額をめぐってはカリフォルニア州オークランド連邦地方裁判所の陪審団が2010年、SAPに13億ドルの支払いを命じる評決を下したものの、翌11年の判決では2億7,200万ドルへと大幅に引き下げられた。オラクルはこれを不当として新たな訴訟を起こしたが、裁判所が今回の合意を承認すると、同訴訟は中止となる。

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SAPはオラクルの弁護士費用1億2,000万ドルを負担すると2年前に確約しているため、オラクルに支払う額は計4億2,600万ドルとなる。

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