今年12月21日までに男女共通の新たな保険料導入が義務づけられたことを受け、保険会社数社がはやくも新料率に対応した商品の販売を開始めた。これまで料金が割高だった女性顧客が契約を切り替える公算が高いうえ、新料金に移行する顧客数の予測も難しいため、料率はやや高めに設定されており、現行の女性向け保険料をわずかに下回る程度。男性にとっては健康保険と介護年金で特に大きな値上げとなる(表参照)。7月31日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙などが報じた。
\Ideal Versicherungは5月、業界の先陣を切って新料率の介護年金を導入した。これまでより料金の安くなる女性顧客の獲得を狙っているものの、年金受取開始前に被保険者が死亡した場合の一時金支払い額を任意に設定できるようにするなど柔軟性を増すことで、料金が割高になる男性にとってもメリットがあるよう工夫した。
\Volkswohl Bundは介護年金が組み込まれた年金保険を投入。6月には保険販売店向けにユニセックス料金に関する情報交換サイトを開設した。被保険者の情報を入力するとユニセックス料金に切り替えたほうが有利かどうかが即座に判定できるツールを提供している。
\金融サービス大手MLPによると、ユニセックス料金に切り替えるのは男女別料率の方が有利な顧客では2割にとどまるのに対し、不利な顧客では8割に達する見通し。これまでに新料金の商品を投入した保険会社のデータを従来料金と比較したところ、男性では介護年金で33~39%、健康保険でも11~25%の大幅値上げとなる見込み。これに対し、女性の保険料はほとんどの分野で据え置きか小幅値下げとなる。ただ、契約期間中の死亡リスクが低かったため料金が安かった死亡保険では、男性のリスクを肩代わりする格好となり、3~7割の値上げが見込まれるという。
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