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2012/8/22

総合 - ドイツ経済ニュース

軍事転用可能な技術輸出で罰則強化、貿易法改正で

この記事の要約

ドイツ政府は15日の閣議で貿易法(AWG)改正案を了承した。条文規定の簡素化や、ドイツ企業の貿易に不利なルールの廃止を通して経済競争力を強化することが最大の狙い。同時に軍事転用が可能ないわゆる「デュアル・ユーズ」技術につ […]

ドイツ政府は15日の閣議で貿易法(AWG)改正案を了承した。条文規定の簡素化や、ドイツ企業の貿易に不利なルールの廃止を通して経済競争力を強化することが最大の狙い。同時に軍事転用が可能ないわゆる「デュアル・ユーズ」技術については罰則規定を強化する。

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現行貿易法については不明確な用語が多く、内容が分かりにくいとの批判があった。政府はこうした現状を改め、法務部を持たない中小企業が貿易を行いやすい環境を整える。

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政府は新貿易法の施行と並行して貿易政令(AWV)も改正。工作機械など軍事転用が可能な技術の輸出に関する規定を欧州連合(EU)の規定に適合させる。これにより、ドイツ企業が貿易に際して他のEU加盟国の企業より不利な立場に置かれている現状を解消する意向だ。

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一方、デュアル・ユーズ技術を故意に無許可で輸出した場合は例外なく犯罪行為とみなし、刑罰の対象とする。これまでは故意の輸出であっても犯罪行為とされないケースがあった。刑罰の上限も現行の懲役5年から同10年へと引き上げる。過失の場合は原則として過料を科す。

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