低料金ながらもデザイン性や快適さを備えた格安ホテル(“budget hotels”または“budget design hotels”)がドイツで増加している。ホテル軒数は2006年から11年の間に2倍に拡大。Motel One、25hours Hotels、B&B Hotelsなどのホテルチェーンは宿泊数・売上高で二ケタ台の成長が続く。国内ホテル全体に占めるシェア(軒数ベース)は10%と、フランスなどに比べてまだ低く、市場拡大の余地は大きい。業界関係者は、中期的には同市場シェアが40%に達すると見込む。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が18日付で報じた。
\格安ホテル市場が拡大している理由についてホテルコンサルティングPkf Hotelexpertsの担当者は、先の金融・経済危機をきっかけに企業が出張経費の切り詰めを余儀なくされたことで、設備や立地、部屋の雰囲気など「どうしても譲れないサービス」を受けられるホテルの需要が高まったことが大きいと指摘する。また、欧州ではこれといった特色のないホテルは供給過剰気味で、格安ホテルは個性的かつスタイリッシュなデザインを前面に押し出すことで競合との差別化に成功したと話す。
\大手ホテルチェーンも成長が見込める格安ホテル事業への参入を強化しており、Wyndham Groupは、米市場で成功した格安ホテル「Super 8」を今後数年内にドイツでもオープンする方針だ。Motel Oneは2016年までに欧州内のホテル数を現在の38軒から60軒に増やす計画という。また、家具大手イケアの系列企業Inter Ikeaもこのほど、格安ホテル事業への参入方針を表明するなど、有望市場として高い関心を集めていることがうかがわれる。
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