欧州最大のゲーム見本市「GamesCom」が15~19日の5日間、開催された。ライプチヒからケルンに会場を移して4年目となった今回は世界40カ国から前回を8%上回る600社以上が出展。展示面積は15%増の14万平方メートル、初公開された新作ゲーム・新製品も10%増の330件と、過去最高を更新した。マイクロソフトや任天堂など大御所が出展を見合わせるなど吸引力の低下が心配されたものの、期間中の来場者は27万5,000人以上と、ほぼ前年並みを確保した。
\デジタルゲーム業界は大きな転換期を迎えている。独インタラクティブ・エンターテイメント・ソフトウエア連盟(BIU)によると、2012年1-6月期の据え置き型ゲーム向けソフト国内売上高が前年同期比7%減の3億ユーロに落ち込んだ一方で、モバイル端末向けソフトは同40%増の2,040万ユーロへと大きく拡大し、販売本数は60%増の1,080万本に達した。
\ゲームソフト全体の販売本数はモバイルゲームがけん引し6%増加したものの、売上高ベースでは1%増の8億4,500ユーロにとどまった。BIUは12年通期について、販売本数で前年比6%増を見込むが、売上高については前年をやや割り込む可能性があるとしている。
\こうした事情を反映し、今回の見本市ではモバイル端末向けゲーム、プレーを無料・低額にする代わりに、アイテム販売で売り上げを確保するバーチャルゲームに関心が集まった。
\欧州ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEE)は開幕に先立つ14日のプレスカンファレンスで、プレイステーション3(PS3)、プレイステーション・ヴィータ(PS Vita)向けのゲームソフトを披露したほか、アンドロイド携帯でもPSゲームが楽しめる新サービスを開始すると発表した。ただ、新型ゲーム機の発表はなかった。
\競合のマイクロソフト(Xbox)と任天堂(Wii)も今回、出展をキャンセルした。また、財務状況が厳しいTHQとセガは独自の展示ブースを出す代わりに、提携先企業のコーナーで発表を行うなど、規模を大幅に縮小した。
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