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2012/8/22

経済産業情報

フランクフルト空港、深夜帯前後の離着陸は「可」

この記事の要約

フランクフルト国際空港の夜間離着陸をめぐる係争で連邦行政裁判所(最高裁、BVerwG)は16日、4月に口頭で言い渡した判決の全文を公表した(訴訟番号:BVerwG 4 C 8.09など8件)。23~5時の離着陸を全面禁止 […]

フランクフルト国際空港の夜間離着陸をめぐる係争で連邦行政裁判所(最高裁、BVerwG)は16日、4月に口頭で言い渡した判決の全文を公表した(訴訟番号:BVerwG 4 C 8.09など8件)。23~5時の離着陸を全面禁止とした一方で、離着陸禁止時間帯の前後1時間(22~23時と5~6時)については計133便の離着陸を認めており、フランクフルト空港を運営するFraportは「これでようやく事業計画を策定できる」と歓迎の意を表明した。

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ヘッセン州政府はフランクフルト空港第4滑走路(2011年10月30日営業開始)の建設計画で当初、23~5時の離着陸全面禁止を約束していた。だが、航空会社の強い反発を受けて同時間帯に1日平均17便、これに前後する1時間と合わせると同150便の離着陸を認める計画へと変更。周辺自治体などはこれを不当として夜間離着陸禁止や建設許可の取り消しなどを求める裁判を起こした。

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BVerwGの裁判官は4月4日の判決で、22~23時と5~6時の時間帯に計133便の離着陸を認めた。ヘッセン州政府はこれを受け、(不服申し立て期間の終了に伴う)判決確定を待たずに即日付で離発着計画を変更した。

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ただ、騒音をめぐる住民と空港との争いはこれで終結したわけではない。裁判官は公表された判決文中で離着陸禁止時間が近づくに従い発着頻度を徐々に減らすよう指示したにもかかわらず、実際には時間ぎりぎりまで離着陸が行われているうえ、例外規定を利用して深夜時間帯にも発着が行われているためで、地域住民は違憲訴訟の準備を進めている。

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