エネルギー大手の独エーオンは23日、西欧でのガス・石炭発電所新設計画をすべて中止する方針を打ち出した。同地域では太陽光・風力などの再生可能エネルギー発電施設が増加し発電能力がだぶついているため、発電所を増やすと電力価格の下落を招くと判断した。すでに進行中の建設プロジェクトは継続する。
\エーオンの広報担当者は「欧州市場にはすでに十分な発電能力があり、2020年までは発電能力を増やす必要がない」と発言した。独ハーナウ市に設置予定の発電ブロックは投資の決定に至っておらず、お蔵入りとなる可能性がある。独ダッテルン、蘭Maasvlakteで建設中の石炭発電所については、老朽化に伴い稼働停止となる発電所の代わりとして必要なため、完成・稼働させる。
\欧州の過剰発電能力は電力取引価格にも反映されている。最近の卸売価格は1メガワット時(MWh)当たり50ユーロ前後と、過去2年間の最低水準へと低下。RWEのテリウム社長はロイター通信に対し、「新規のガス発電所建設で利益を確保するには、1MWh当たりの取引価格が少なくても75ユーロに達していなければならない」と述べ、現在の取引価格は投資に見合わないとの立場を示した。
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