遺伝子の後天的な変異(エピゲノム)を解析するプロジェクト「DEEP」が1日、ドイツでスタートした。DEEPは国際ヒトエピゲノムコンソーシアム(IHEC)に参画する連邦教育研究省(BMBF)の支援を受けて実施されるもので、予算総額は1,600万ユーロ。国内21の研究プロジェクトチームが参加し、今後5年で70種類の細胞のエピゲノム解析を目指す。
\先天的な遺伝子情報であるゲノム研究の進歩に伴い、ゲノムだけでなく環境条件などによるゲノム構造の後天的な変化(エピゲノム修飾)もがんや生活習慣病(肥満、糖尿病など)の発症に関与していることが近年、明らかになってきた。再生医療や創薬への応用が期待されているものの、正常な細胞でのエピゲノムの状態(標準エピゲノム)はほとんど解析されていない。
\こうした事情を受けて、各国が協力・分担し医学的に重要性の高い1,000種類の標準エピゲノム解読を目指すIHECがこのほど設立された。ドイツからはBMBFとドイツ航空宇宙研究センター付属プロジェクト管理部(PT-DLR)がフルメンバーとして参画している。
\DEEPチームは主に代謝、関節リューマチ、重度の肥満に関与するエピゲノムを対象とする。プロジェクトの取りまとめ役はザールラント大学のイェルン・ヴァルター教授が引き受ける。
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