世論調査機関Ipsosは8月28日、ドイツ人の生活の豊かさに関する報告書を発表した。それによると、豊かさを示す最も重要な指標は「経済(物質・金銭面)」「人と自然とのかかわり(エコロジー)」「社会(自由、平和な生活)」「個人(健康、将来の安心)」の4つ。調査では豊かさ全体に占める「経済」の比重が39%で最も高かったものの、「個人」が31%、「社会」が18%と、「物質・金銭的充足」=「豊か」ではないことが浮き彫りになった。
\Ipsosは未来学研究者のホルスト・W・オパショウスキー教授と共同で、14歳以上のドイツ人2,000人を対象にアンケート調査を実施。この結果を元に、主観的な豊かさに影響を与える指標を抽出・分析した。
\アンケートによると、ドイツ人のほぼ4人に3人(71%)が思い描く経済的な“豊かさ”の条件は「仕事や収入、将来への不安を持たずにすむだけの金銭的余裕がある」で、これに「定期収入がある」(65%)、「職場・年金が安定している」(62%)が続いた。
\精神的な安定も豊かさを感じるうえで重要な役割を果たしており、「将来への不安がない」を挙げた人は52%、「自分が健康だと感じる」は53%、「いつでも医師の診療が受けられる」は54%に上った。
\社会面では「対人関係のトラブルのない平和な生活」(64%)、「言論の自由」(61%)のほか「良好な家族関係」「良好な友人関係」を挙げた人が多かった。
\オバショウスキー教授は「危機的な時代には豊かさの条件が劇的に変わる。財産や所有物が増え続けることを豊かだと感じる時代は終わりを告げた」とコメントした。
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