社会保険の監督機関である連邦保険庁(BVA)がまとめた調査によると、公的健康保険の2010年の医療費支出額は加入者1人当たり2,170ユーロで、前年に比べ69ユーロ増加した。支出額が最も高かった自治体はバイエルン州中部のプファッフェンホーフェン郡(2,834ユーロ)、最も低かったのはニーダーザクセン州西部のクロッペンブルク郡(1,804ユーロ)だった。8月25日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\全国的にみると、被保険者1人当たり医療費支出は東部・中部ドイツ地域で高い。医療費のかかる高齢者が多いためだ。ただ、東部ドイツについては絶対額は高いものの、年齢・性別構成を加味した調整値ベースでは西部ドイツより額が低いという。
\BVA関係者によると、年齢や性別以外に医療費支出を押し上げる地域の特徴として◇人口密度が高い◇産業の中心がサービス業で、経済力も高い◇単身世帯が多い◇収入・教育水準が高い――が挙げられる。収入・学歴が高い人は健康に気を使うことが多く病気にかかりにくい一方、専門医による診療など医療に対する要求が高い。また、人口の多い都市部には医療機関が多く、具合が悪くなったときに医者にかかりやすいため受診率(=医療費負担)が高くなるという事情がある。
\