欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/9/19

企業情報

Adam Opel AG―新モデルのコスト構造見直しへ―

この記事の要約

米General Motors(GM)の独子会社Opel(リュッセルスハイム)は今後発売する新モデルのコスト構造を再吟味する。業績不振の長期化と欧州市場の低迷を踏まえた措置で、コスト削減を通して経営再建を図る意向だ。今月 […]

米General Motors(GM)の独子会社Opel(リュッセルスハイム)は今後発売する新モデルのコスト構造を再吟味する。業績不振の長期化と欧州市場の低迷を踏まえた措置で、コスト削減を通して経営再建を図る意向だ。今月就任したミヒャエル・ローシェラー財務担当取締役が『ハンデルスブラット』紙に明らかにした。

\

7月に解任されたカールフリードリヒ・シュトラッケ社長はモデルチェンジも含めて2016年までに計23の新モデルを市場投入する方針を打ち出していた。ローシェラー取締役はこれらモデルのコスト構造をすべて全面的に洗い直す考えで、「経済性は決定的に重要なポイントだ」との立場を明らかにした。債務危機で低迷する主力の欧州市場については来年も回復しないとみており、コスト削減を緊急の課題と位置付けている。労組に対しては業界労使が先ごろ合意した4.3%の大幅ベアを同社に適用しないことを求めていく。

\

赤字体質から脱却できないOpelに対する親会社GMの我慢は限界に達しようとしている。シュトラッケ前社長を含めOpelの経営陣を大きく入れ替えたのはそのためで、新経営陣は確実に成果を上げることを求められている。

\

米投資銀行Morgan Stanleyは先ごろ、GMはOpelを分離すべきだとの調査レポートを発表した。分離コストは13億ドルと大きいものの、長期的には両社の利益に叶うとしている。同提言はGMによって退けられたものの、Opelの経営不振が今後も続くようだと現実味を帯びてきそうだ。

\