アルジェリア国営電力会社(Sonelgaz)のヌーレディン・ブタルファ(Noureddine Boutarfa)社長は『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙に対し、同国が進めるエネルギー転換政策でドイツの再生可能エネルギー業界が重要なパートナーになりうるとの見解を示した。「ドイツ企業は高い技術力で知られており、我々としても大歓迎だ」と発言、独企業の積極的な参画を呼びかけた。その一方で、「競争力のある価格であることも重要だ」と述べ、低価格を武器とするアジアメーカーとの競争のなかで受注を獲得するにはコスト面で譲歩する必要があるとも注文をつけた。
\アルジェリアは天然ガス生産量で世界5位、原油生産量で同10位にランクする。原油・天然ガスなどの化石燃料は輸出総額の98%を占めており、経済は化石燃料に大きく依存している。一方、化石燃料は今後50年で枯渇が予想されており、経済の新たな支柱の育成は同国の大きな課題となっている。
\こうした事情を背景に政府は再可エネの普及を促進し、2030年までに同エネの発電能力を22ギガワット(うち輸出向けは10ギガワット)に拡大する計画を打ち出した。電力需要の40%を再可エネでまかなう意向だ。
\この目標を達成するには再可エネの分野で先行するドイツなど国外企業のノウハウが必要となる。ただ、化石燃料収入で財政が豊か(11年貿易黒字190米ドル、外貨準備高1730億米ドル)であるにもかかわらず、国民の生活水準が低いという反省を踏まえ、Sonelgazのブタルファ社長は、地元の雇用と産業の発展につなげるため「設備をまるごと国外から輸入する」ことは回避する方針。地元メーカーと国外企業が合弁事業などを展開することが理想だとしている。
\