欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/9/19

経済産業情報

化学・製薬業界のR&D投資、90億ユーロ突破見通し

この記事の要約

ドイツ化学工業会(VCI)は11日、独化学・製薬業界の2011年の研究・開発(R&D)投資額が88億ユーロとなり、前年に比べ6.5%増加したと発表した。欧州債務危機の影響で事業環境が厳しさを増しているものの、R […]

ドイツ化学工業会(VCI)は11日、独化学・製薬業界の2011年の研究・開発(R&D)投資額が88億ユーロとなり、前年に比べ6.5%増加したと発表した。欧州債務危機の影響で事業環境が厳しさを増しているものの、R&D投資は今年も引き続き拡大し、過去最高の92億ユーロに達する見通しだ。(グラフ参照)

\

R&D投資の国際比較(2009年)をみると、ドイツは世界全体の8.1%を占め、米国(40.5%)、日本(17.1%)に次ぐ3位につけている。

\

11年の研究開発者数(就業人口)は4万1,500万人で、化学系の博士号を取得して製薬・化学企業に研究職として採用された人は425人に上った。VCIのクライマイヤー研究・学術・教育部会長によると、「先の金融・経済危機で業界の新規採用・就業人口は大きく落ち込んだが、再び増加に転じた」という。

\

国内外で事業を展開する大手化学企業を対象にR&D投資を拡大する予定の地域を質問したところ、「国外」との回答が6割以上に達した。その理由については「需要の伸びがドイツより高く、成長が見込める」との回答が62%で最も多く、これに「(ドイツは)当該技術に対する社会的な受容が不十分」(53%)、「(ドイツは税制など)事業を展開するうえでの枠組み条件が外国よりも悪い」(52%)、「人材不足」(31%)が続いた。

\