米国の送電事業者Anbaricがドイツ市場への参入に意欲を示しているもようだ。ドイツでは再生可能エネルギーの大幅拡充政策を受けて高圧送電網を大幅に拡充しなければならないものの、送電網事業者は資金不足に直面。Anbaricは独市場最大手の蘭国営Tennetに出資し、独事業を共同展開する考えという。交渉はすでに始まっているものの、各社はコメントを控えている。独経済誌『ヴィルツシャフツボッヘ』が蘭経済省関係者への取材をもとに報じた。
\再生可能エネルギーの拡充を加速するドイツの「エネルギー転換政策」では、北海、バルト海の洋上風力発電パークで生産する電力を南部の主要消費地域に輸送することが重要な課題となっている。だが、洋上風力発電をめぐっては、発電パークが設置されたにもかかわらず送電網の未整備で送電できない場合に発電事業者と送電網事業者のどちらが責任を負うかについてルールが制定されていない。このため送電網事業のリスクは大きく、送電網事業者は必要な資金を調達できない状況に置かれている。
\Tennetは北海の送電網敷設を法律で義務づけられている。Anbaricの協力を得られれば、資金不足を解消できる可能性がある。同誌によると、Anbaricは40億ドルをドイツの送電網に投資する考えという。
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