ドイツ機械工業連盟(VDMA)と企業コンサルティング大手のローランド・ベルガーは9月26日、炭素繊維複合材料(CFRP)の市場動向調査レポートを発表した。それによると、CFRPは自動車・航空機・風力エネルギー・機械などの産業で特に旺盛な需要が見込まれ、世界の生産量は2020年まで年17%のペースで増加する見通し。ただ、生産コスト引き下げと量産技術を実現しない限り市場のすそ野は広がらないため、業種・業界の枠を超えた取り組みが必要という。
\同レポートによると、CFRPの価格は20年までに30%低下する見通し。製造コストは技術開発の加速によって40%下がるものの、原料コストの下げ幅は20%程度にとどまる。
\量産化に向けた技術開発競争はすでに始まっており、現時点ではレジン・トランスファー・モールディング(RTM)、プレス成型など中量生産に向く技術が重要な役割を果たしている。一方、20年以降は低価格化の進行やCFRPと金属などの異種材料を混合したハイブリッド構造の開発によって市場のすそ野が大きく拡大する。このためレポートは、今後の流れを見据えた事業戦略を早期に策定することが市場を制するうえで重要だとしている。
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