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2012/10/10

企業情報

Lambertz―EU砂糖市場規制を批判―

この記事の要約

老舗菓子メーカーLambertzグループ(アーヘン)のヘルマン・ビュールベッカー社長は4日の2012年6月通期決算報告会で、欧州連合(EU)の砂糖割り当て政策によって砂糖需給がひっ迫していると強く批判した。食品業界の域内 […]

老舗菓子メーカーLambertzグループ(アーヘン)のヘルマン・ビュールベッカー社長は4日の2012年6月通期決算報告会で、欧州連合(EU)の砂糖割り当て政策によって砂糖需給がひっ迫していると強く批判した。食品業界の域内調達比率が約8割に制限されているとともに域外からの輸入量が不足しているため、価格が高騰し、生産に必要な分を確保できないとしている。5日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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ビュールベッカー社長によると、砂糖価格は過去1年で2倍に上昇。資金力の弱い小規模のメーカーは砂糖の調達コストを賄いきれなくなっている。また、競争の激化で原料値上がり分を製品にそのまま転嫁できるメーカーはほとんどなく、厳しい経営を迫られている。同社長は「域内では砂糖が過剰に生産されているにもかかわらず、メーカーは慢性的な供給不足に悩まされている」と述べたうえで、このままの状況が続けば菓子メーカーの多くが存続の危機にさらされると警鐘を鳴らした。

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EUは割当制度廃止に向けてすでに動き出しており、欧州委員会は2015年に廃止するとことを欧州議会に提案した。同議会では11月から審議が始まる予定だ。

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同社の12年6月通期決算の売上高は前年度比1.3%増の5億6,000万ユーロだった。

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