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2012/10/10

経済産業情報

バルト海ガスパイプライン、2本目が開通、輸送能力倍増

この記事の要約

シベリア産の天然ガスをバルト海経由で西欧に輸送するパイプライン「ノルド・ストリーム」の運営会社は8日ロシア西部のポルトワヤで、新たな輸送管の開通式を行った。これによりパイプラインは2本となり、輸送能力は年550億立方メー […]

シベリア産の天然ガスをバルト海経由で西欧に輸送するパイプライン「ノルド・ストリーム」の運営会社は8日ロシア西部のポルトワヤで、新たな輸送管の開通式を行った。これによりパイプラインは2本となり、輸送能力は年550億立方メートルに倍増。開通式典にビデオ参加したドイツのメルケル首相は、「欧州は天然ガス供給の安定性を高め、ロシアは実入りの良い販売市場での地歩を一段と強化する」と述べ、輸送能力の拡張が欧州とロシアの双方に利益をもたらすとの見方を示した。

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ノルド・ストリームは全長1,200キロメートルで、ロシア・カレリア共和国のヴィボルグとドイツ北東部を結ぶ。昨年11月に1本目のパイプラインが開通した。運営会社は現在、3本目、4本目の敷設を検討している。ただ、1本目の稼働率は30%程度にとどまっており、輸送能力の拡張には疑問の声もある。

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運営会社にはロシアの国営天然ガス大手ガスプロムが51%、独エネルギー大手エーオンと化学大手BASF傘下のWintershallがそれぞれ15.5%、蘭ガス大手Gasunieと仏GDF Suezが各9%出資している。

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同パイプラインはウクライナを経由しないため、ロシアとウクライナの間で紛争が起きても欧州への天然ガス供給に支障が出ない。

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