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2012/10/10

経済産業情報

独化学生産高、2030年までに40%増加見通し

この記事の要約

独化学工業会(VCI)は5日、調査機関Prognosに作成を委託したレポートをもとに、ドイツにおける化学・製薬業界の生産高(物価調整値)が2030年までに40%増加する見通しだと発表した。政策次第では増加幅が大きく下振れ […]

独化学工業会(VCI)は5日、調査機関Prognosに作成を委託したレポートをもとに、ドイツにおける化学・製薬業界の生産高(物価調整値)が2030年までに40%増加する見通しだと発表した。政策次第では増加幅が大きく下振れ・上振れする可能性があると指摘、国内産業を抑制するような政策を取らないよう注意を促した。

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2011年の独化学・製薬生産高は1,530億ユーロ(2005年の物価ベース)で、内訳は特殊化学が43.3%、基礎化学が37.2%、製薬が19.5%だった。同レポートによると、2030年には生産高が2,160億ユーロに拡大。内訳は製薬が横ばいの19.5%にとどまり、基礎化学は33.8%に低下するのに対し、特殊化学は46.7%へと上昇する。

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VCIはドイツの産業立地競争力に関して、エネルギー価格を適正水準にとどめることが最も重要だと指摘。再生可能エネルギーを大幅に強化する「エネルギー転換施策」の結果、電力などの価格が大幅に上昇すると、化学産業は国外への生産移転を余儀なくされ、川下産業も国内生産を維持できなくなるとしている。その場合、ドイツが被る計残的な損失は年4,400億ユーロに上るという。

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一方、経済成長を促すような政策が取られれば、ドイツ経済に年1,900億ユーロのプラス効果がもたらされるとしている。

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