生命保険やリースター年金(国家助成付個人年金)などの個人年金に対するドイツ人の信頼が揺らいでいる。ポストバンクが4日発表した老後の備えに関するアンケート調査報告によると、個人年金の積立額を「今より引き上げる予定はない」と回答した就労者は42%に上り、調査を開始した2003年以降で最高となった。一方、「現状では不十分」だと感じている就労者は2年前より8ポイント低い14%に後退するなど、老後の生活に備えた貯蓄意欲が落ちていることがうかがえる。
\アレンスバッハ世論研究所(IfD)がポストバンクの委託を受け、ドイツに在住する16歳以上の1,642人を対象に実施したアンケート調査によると、個人年金の1カ月当たり積立額平均は185ユーロで、7年前(205ユーロ)に比べ19ユーロ減少した。
\「公的年金制度は安全」との回答は前年より多い48%に上った一方、公的助成つき個人年金制度(リースター年金)が安全とした人は過去最低の16%に落ち込んだ。
\個人年金への関心は若者の間でも低下している。16~29歳の年齢層で老後の準備が「現状で十分」と回答したのは4人に1人以上に上り、5年前(6人に1人)より増加した。
\貯蓄意欲の減少についてポストバンクは、欧州債務危機に伴う先行き不透明感を受けて長期にわたってコツコツため続けることへの不安が強まったためと分析する。また、国内の労働市場が比較的良好に推移していることで「自分の生活は将来も保証されている」と感じる人が増えたことも大きいとしている。
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