ドイツのショイブレ税務相は14日、訪問先のシンガポールでリー・シェンロン首相と会談し、租税条約を改正することで合意した。新条約は経済協力開発機構(OECD)のモデル条約に準拠。ドイツは脱税対策の強化、シンガポールは「租税回避地」の汚名返上を目指す。
\現行条約は2004年に発効したもので、情報交換の対象が所得税・資産税に限られていた。新条約ではすべての税が情報交換の対象となる。シンガポール金融管理局(MAS)のメノン長官は『フランクフルター・アルゲマイネ(日曜版)』紙に対し「クリーンな金融市場のみが成功をもたらす」と述べ、脱税やマネーロンダリングの防止に注力する姿勢を強調した。
\シンガポールにはドイツ企業1,200社が進出している。これらの現地法人にはこれまで同様、同国の低い税率が適用されるため、条約改正に伴い負担が増えることはない。
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