世界最大の国際書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア」が10~14日の5日間、開催された。今回は100カ国からほぼ前年並みの7,300社が出展。日本からは講談社、大日本印刷などのほか、ソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)、任天堂も参加。また、今年のパートナー国のニュージーランドからは作家70人、芸術家100人が参加した。
\今回は◇電子書籍◇デジタルコンテンツとメディアフォーマット(ファイル形式)◇書籍販売市場の急速な変化に対応する新たな事業モデル◇著作権・ライセンス◇デジタル化時代における出版社の役割――などに関心が集まった。
\独書籍小売市場に占める電子ブックのシェアは2012年上半期で2%と、米国(11年通期)の16.6%に比べ小さいものの、監査法人大手PwCによると、書籍市場全体が頭打ちとなるなかで電子書籍は大衆文学部門だけでも年平均68%のスピードで成長。16年には売上高が6億5,000万ユーロに達し市場シェアも13%に拡大する見通しだ。
\電子ブックの販売チャンネルはアマゾンなどのインターネットが主流を占める。このため、ネット書店の躍進で売り上げが落ち込む店舗型書店は、最大の成長分野である電子書籍の恩恵をほとんど受けられず、厳しい経営を余儀なくされている。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、2012年1-9月期の独書籍業界(出版社・書籍販売業)売上高は前年同期比で2%減少、店舗型書店に限ると減少幅は5%に達した。書籍取引協会は2013年までに店頭書店の2割が姿を消すおそれがあると懸念している。
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