独小売業中央連盟(HDE)の調べによると、2011年にドイツ国内の買い物などで利用された決済手段に占める現金払いの割合は金額ベースで57%、件数ベースでは80%以上に上った。現金通貨流通は集金・輸送・口座入金といったハンドリングコストの押し上げ要因となっており、事務処理負担額は金融機関だけでも推定60億ユーロに達するという。
\デビットカード、クレジットカードなど様々なキャッシュレス決済手段があるにもかかわらず、ドイツ人が硬貨や紙幣で払うことを好む理由について独民間銀行協会(BdB)のミヒャエル・ケマー事務局長は、◇使う場所を選ばない◇どのキャッシュディスペンサーからでも引き出せる◇カードに比べレジでの支払いに時間がかからない――など「(自由という)感覚と深く結びついているため」と指摘する。
\同事務局長は金融機関が現金流通関連コストを透明化して顧客にコスト負担を求めることで、「現金の管理には費用がかかる」との意識を浸透させていく必要があると訴えている。
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