フェイスブックは青少年がよく利用するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトである。プライベートな空間のため人によってはついつい度を越した書き込みをしてしまうこともあるようだが、勤務先の批判はやはり控えた方が良いようだ。そんなことを思わせる判決をハム州労働裁判所が10日下したので、ここで取りあげてみる(訴訟番号:3 Sa 644/12)。
\裁判を起こしたのはボーフム市にある企業に勤務していた26歳の職業訓練教育生(Auszubildender:略Azubi)。同教育生はフェイスブックで雇用主を「搾取者」「農奴」などと表現したほか、「くそったれ、最低賃金マイナス20%」などとの書き込みを行った。これらの書き込みはフェイスブック利用者であれば誰でも閲覧できる状態にあった。
\この事実を知った同教育生の上司は雇用主に連絡。雇用主は即時解雇を言い渡した。原告はこれを不当として提訴した。
\第1審のボーフム労働裁判所は、書き込み内容を侮蔑的だと認定したものの、原告は人格が未熟だなどと指摘。解雇は行き過ぎで、雇用主は警告処分を出すか、原告を諭すべきだったとの判断を示した。
\一方、第2審のハム州労裁は即時解雇は妥当だとの判断を示した。判決理由で裁判官は、原告には十分な人生経験があると指摘。自分の行為がいかなる結果をもたらすかを判断できたと言い渡した。最高裁の連邦労働裁判所(BAG)への上告は認めなかった。
\