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2012/10/24

経済産業情報

洋上発電プロジェクト凍結、送電線の整備遅れで

この記事の要約

デンマークのエネルギー最大手Dong Energyは、北海・ボルクム島の沖合38キロの海域に計画していた洋上風力発電パーク「Borkum Riffgrund 2」(以下:Riffgrund II)の建設プロジェクトを当面 […]

デンマークのエネルギー最大手Dong Energyは、北海・ボルクム島の沖合38キロの海域に計画していた洋上風力発電パーク「Borkum Riffgrund 2」(以下:Riffgrund II)の建設プロジェクトを当面、凍結する。海底送電ケーブルの敷設が遅れ、稼動開始時期が不透明なため。同社はこれを受け、シーメンスに発注していた風力タービン97基をキャンセルするなど、業界内に影響が広がっている。週刊誌『シュピーゲル』誌が21日付のオンライン版で報じた。

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Riffgrund IIは当初、2016年の稼働を予定していた。設置タービン数は96基、出力は340メガワット、投資総額は13億ユーロに上る。

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プロジェクト凍結の背景にあるのは、北海沖と陸地を結ぶ高圧送電網の敷設・管理を担当するTennetが資金難からケーブル敷設費用をねん出できないことだ。Dong独法人のクリストフ・メルテンス社長は、「Tennetはケーブル敷設を確約したものの、期日については一切明言していない」と述べて、憤りをあらわにした。同社はRiffgrund IIの計画を棚上げする代わりに、英国で計画する別の洋上風力パーク建設プロジェクトに注力する。

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独政府は2030年までに国内電力需要の15%を洋上風力発電で賄う目標を掲げているが、送電インフラ整備の遅れがネックとなって目標を達成できないおそれがある。

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