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2012/10/24

経済産業情報

ヒト周皮細胞から神経細胞作成に成功

この記事の要約

幹細胞の一種である周皮細胞から誘導神経細胞(iN細胞)を作成することにミュンヘン・ヘルムホルツセンターを中心とする国際研究チームが成功した。人工多能性幹細胞(iPS)細胞を介さずに神経細胞を直接誘導することに成功したのは […]

幹細胞の一種である周皮細胞から誘導神経細胞(iN細胞)を作成することにミュンヘン・ヘルムホルツセンターを中心とする国際研究チームが成功した。人工多能性幹細胞(iPS)細胞を介さずに神経細胞を直接誘導することに成功したのは、ヒト細胞では今回が初めてという。

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従来の再生医療研究ではiPS細胞など、あらゆる臓器や器官を形成する能力(分化万能性)のある細胞が中心だったが、◇分化誘導に時間がかかる◇がん細胞などの腫瘍に分化する可能性がある――などの問題から、神経幹細胞など分化の方向がある程度定まっている幹細胞への関心が高まっている。

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周皮細胞は毛細血管壁から単離された多能性の間葉系細胞で、脂肪細胞、骨芽細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞、食細胞(マクロファージ)への分化能力が確かめられている。

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iN細胞は、体細胞に遺伝子を発現させる事により直接神経に分化させた細胞のことで、iPS細胞を作るより短期間かつ簡単に誘導できる。また、神経細胞に分化しきっているため、ガン化の可能性が低いと考えられている。

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ヘルムホルツセンターを中心とする研究チームは今回、ヒトの大脳皮質から採取した周皮細胞にSox2とMash1の2種類の因子を導入し、神経細胞を誘導することに成功した。

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研究結果は『Cell Stemm Cell』誌に掲載された。

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