家畜福祉に配慮した畜産物の認証制度「Fuer mehr Tierschutz」が来年1月にドイツでスタートする。飼育環境や苦痛回避など動物福祉に関心を持つ消費者が増えていることが背景にある。認証プログラムを運用するのは独動物愛護連合会で、豚肉と鶏肉が対象。小売価格は従来品より10%ほど高くなる見通しという。23日付『ヴェルト』紙が報じた。
\独動物愛護連合会が策定した規準によると、豚の場合では◇飼育スペースが現行法の規定より3分の1以上広い◇豚舎内に遊び道具が設置されている◇オスの子豚の去勢、断尾を麻酔なしで行わない――などとなっている。餌についても高い品質基準が要求される。鶏の場合も、従来より広い飼育スペースのほか、成長速度がブロイラーより遅い品種の飼育が義務づけられている。
\認証基準に従った飼育では従来の方法よりもコスト高になるものの、認証が得られることで従来品より高値で取引できるようになる。認証取得に向けて準備を進めている北ドイツのある養豚農家では、動物福祉配慮で飼育した豚の取引額が体重1キログラム当たり約12セント高いという。豚1頭当たりの利益は6ユーロ程度を見込む。
\家畜福祉認証製品の取り扱いを現時点で予定しているのは大手スーパーチェーンKaisers Tengelmannとキール生活協同組合。Kaisers Tengelmannは全国170店で従来品、オーガニック畜産品と並行して家畜福祉認証品もセルフコーナーで販売する。キール生協は系列のスーパーマーケット「Sky」20店で、豚肉を家畜福祉認証を受けた製品へと全面的に切り替える。
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