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2012/11/7

経済産業情報

再可エネの余剰電力でメタン生産、世界最大の試験プラント稼働開始

この記事の要約

メタンガスをエコ電力の貯蔵手段として利用するパイロット施設が10月30日、シュツットガルトで稼働を開始した。太陽光など再生可能エネルギーによる発電の余剰電力で二酸化炭素(CO2)からメタン(CH4)を合成し、ガスタンクや […]

メタンガスをエコ電力の貯蔵手段として利用するパイロット施設が10月30日、シュツットガルトで稼働を開始した。太陽光など再生可能エネルギーによる発電の余剰電力で二酸化炭素(CO2)からメタン(CH4)を合成し、ガスタンクや送ガス網に貯蔵するもので、出力は250キロワット、メタン生産能力は1日最大300立方メートル。同様の仕組みを利用する施設としては世界最大規模という。

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同施設はフラウンホーファー風力エネルギー・エネルギーシステム研究所(IWES)、バーデン・ヴュルテンベルク州太陽エネルギー・水素研究所(ZSW)、オーストリアの蓄電システム開発会社SolarFuelが開発した「Power-to-Gas」と呼ばれるシステムを採用、電気分解によって水を水素と酸素に分解した後、CO2を水素化反応によって段階的にメタンに還元する。

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IWESなどの研究チームは3年前、出力25キロワットのデモ施設を建設し、実用化に向けたノウハウを蓄積してきた。今回のプロジェクトは連邦環境省(BMU)からの支援を受けており、プラント建設コスト400万ユーロの大半を同省が負担した。

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Power-to-Gas技術を利用したメタン合成プロジェクトでは、高級車メーカーのアウディが、ニーダーザクセン州ヴェアルテに出力6メガワットのプラントを建設中だ。同施設は13年の稼働開始を予定しており、IWESなどのチームは今回のパイロット施設運用で得られた知見を新プラントに活かしたい考えだ。

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