育児休暇手当の受給期間中に仕事をして収入を得た場合、手当額はその分、減額される。これは育児休暇法(BEEG)2条3項に明記されたルールである。では、受給期間中に社用車の私的利用を認められた場合、つまり金銭以外の形で雇用主から便宜を受けた場合も、所得とみなされて受給額を引き下げられるのだろうか。この問題をめぐる係争でシュツットガルト社会裁判所(1審)が3月に判決(訴訟番号:S 17 EG 6737/10)を下したので、ここで取り上げてみる。
\裁判を起こしたのは育休手当を受給していた女性。同女性は受給期間中、勤務を一切行わなかったものの、雇用主から社用車の私的利用を認められていた。
\育休手当の管轄当局はこれを非金銭的な形で雇用主から受けた収入と見なし、手当の減額を決定。原告はこれを不当として提訴した。
\シュツットガルト社会裁が下した判決は、原告勝訴だった。判決理由で裁判官は、仕事を通して収入を得た場合は育休手当が減額されるとしたBEEG2条3項の規定を指摘。原告は受給期間中に仕事を一切、行っておらず、減額措置は不当だとの判断を示した。
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