欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、欧州ステンレス鋼大手のOutokumpu(フィンランド)が独Thyssenkruppのステンレス鋼部門を買収する計画を条件付きで承認したと発表した。OutokumpuはThyssenkruppがイタリアに持つ工場などの売却を求められる。
\Outokumpuは1月、Thyssenkruppのステンレス鋼部門であるInoxumを総額27億ユーロで買収することで合意した。買収により年間売上高は40億ユーロから110億ユーロに拡大、ステンレス鋼で14%の世界シェアを握る。欧州では最大のステンレス鋼メーカーとなる。
\欧州委は初期審査の結果、OutokumpuとInoxumは欧州の冷延ステンレス鋼市場で1、2位のメーカーであることから、両社の統合が同市場の健全な競争を阻害する恐れがあるとして認可を見送り、5月から本格調査を進めていた。
\これに対してOutokumpuは、イタリアのテルニにある工場と、欧州内の複数の物流センターを手放すことを提案。欧州委は同措置によって競争上の問題は解消されるとして、その実施を条件に買収を承認した。
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