独民間大手銀行のCommerzbank(フランクフルト)は8日、個人顧客事業の収益力強化方針を発表した。2016年までの投資総額の約半分に当たる10億ユーロを同事業に投資。同時に人員削減も進め、同事業の自己資本利益率(ROE、税引き前ベース)を現在(2012年1-9月期)の7.3%から12%超へと引き上げる計画だ。
\投資資金はプラットフォームや新製品・サービス、従業員研修、顧客相談業務に振り向ける。これらの措置により顧客数を現在の1,100万人から1,200万人に拡大する。営業利益は約5億ユーロを目標としている。
\同行全体の狭義の中核自己資本比率については、16年末までに「9%を大幅に上回る水準」へと引き上げ、その後も同水準を維持していく。
\Commerzbankが同日発表した2012年7-9月期(第3四半期)決算の最終利益は7,800万ユーロにとどまった。ギリシャ国債の減損処理を行い6億8,700万ユーロの赤字を計上した前年同期からは大きく改善したものの、バッドバンクに移管したリスク資産の圧縮で、水準が押し下げられた格好だ。このほか、低金利と欧州債務危機の影響で、金利収入と自己勘定取引も振るわなかった。
\投資資金(16年までに計20億ユーロ)をねん出するため、今年と来年は配当を見送る。
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