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2012/11/14

経済産業情報

高圧直流送電用の遮断技術、ABBが開発

この記事の要約

スイスのエンジニアリング大手ABBは7日、高圧直流送電(HVDC)向け遮断技術の開発に世界で初めて成功したと発表した。大型発電所からの直流高電圧をわずか5ミリ秒で遮断できるという。同技術の開発により、HVDC普及に弾みが […]

スイスのエンジニアリング大手ABBは7日、高圧直流送電(HVDC)向け遮断技術の開発に世界で初めて成功したと発表した。大型発電所からの直流高電圧をわずか5ミリ秒で遮断できるという。同技術の開発により、HVDC普及に弾みがつくと同社は期待を寄せる。

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ABBが新技術開発に取り組んだ背景にあるのは、原発廃止や再生可能エネルギー電力の利用拡大に伴う電力供給体制の変化だ。砂漠での太陽発電や洋上風力発電など、再可エネ電力では生産地と消費地が離れているケースも多く、インフラ整備に加えて送電容量の拡大、送電効率の改善が大きな課題となっている。

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HVDCは発電・送電時の損失が非常に少なく、大量長距離送電に適している。特に高電圧になるほど送電効率は高いという。ただ、直流送電は交流送電と異なりゼロ点がないうえ、電圧が高いほど遮断しにくいという物理的制約があり、「高圧直流送電の普及を100年以上にわたって妨げる技術的な壁」(ABB)となっていった。

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ABBは問題解決に向けて数年にわたって研究開発を続け、今回の成果にこぎつけたとしている。

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