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2012/11/14

経済産業情報

自律的に動作を改良の卓球ロボット、1時間練習で返球率9割に

この記事の要約

人の動作を模倣しながら、自律的に動きを改善する卓球ロボットを、ダルムシュタット工科大学とマックス・プランク知能システム研究所が共同開発した。球を打ち返す基本的な動作をまず人間が提示。ロボットはその動作を元に「強化学習」と […]

人の動作を模倣しながら、自律的に動きを改善する卓球ロボットを、ダルムシュタット工科大学とマックス・プランク知能システム研究所が共同開発した。球を打ち返す基本的な動作をまず人間が提示。ロボットはその動作を元に「強化学習」と呼ばれる試行錯誤を繰り返し、返球に適した動作を獲得する。初めは全く球を返せなかったロボットも、1時間の練習後には返球率を9割に向上させ、最終的には人間とラリーができるまでに“上達”したという。

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卓球ロボットはダルムシュタット工大のヤン・ペータース教授と、同大の院生でマックス・プランク博士奨学生でもあるカタリーナ・ミュリングとイェンス・コーバーを中心とするチームが開発した。

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チームが開発した自律学習アルゴリズム「Mixture of movement primitives(MoMP)」では、人間がロボットのアームを持って返球の基本動作を教え、ロボットに模倣学習させる(動作の初期ライブラリー作成)。その後、ロボットは強化学習によって、返球トライアル毎に得られる成否のフィードバックを通してアームを動かすタイミングや位置などの最適な動きを獲得していく。

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ペータース教授は「ロボットアームの動きを全てプログラミングで制御しようとすれば、それだけで数年はかかる上、動きの質も低かっただろう」と述べ、自律学習型知能ロボットの今後の発展に、大きな期待を示した。

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チームが開発した卓球ロボットのデモの様子はhttp://www.youtube.com/watch?v=SH3bADiB7uQで閲覧できる。

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