スイスで住宅価格の上昇が続いている。金融大手UBSが5日発表した2012年第3四半期の不動産バブル指数は前期比0.2ポイント増の1.02となり、「リスク」(0~1=ブーム、1~2=リスク、2以上=バブル)とされる水準に突入。250万ユーロ以上の高級住宅で需要が鈍化しているものの、平米単価9,000ユーロという物件も珍しくないという。物価全般が緩やかな下落傾向にあるなかで住宅価格だけが上がり続けており、市場関係者は住宅バブル崩壊のリスクが出てきたと警戒している。7日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\住宅ブームが続く最大の原因は、低金利政策による住宅金利の低下だ。5年間固定金利型の住宅ローンの利率は現在、平均1.3~1.5%に過ぎない。低金利によって現金資産(預貯金など)の運用益が目減りした結果、家賃収入などの目的で賃貸物件に投資する個人が増加したことも大きい。
\特に住宅人気の高いエリア(ホットスポット)の12年上半期の価格上昇率をみると、ジュネーブは1.8%と比較的低かったものの、チューリヒ、ローザンヌはそれぞれ3.8%、ツークは5.1%に上った。上昇幅が最も高いのはダボスの別荘物件で7.6%だった。
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