DAX(ドイツ株価指数)の採用企業が信用格付け大手の米スタンダード&プアーズ(S&P)に相次いで反旗を翻した。ドイツポストは21日、S&Pとの「長年にわたる」契約を即日付で打ち切り、フィッチ・レーティングス(フィッチ)に変更した。ハイデルベルク・セメントも22日に契約を即時解除。競合のフィッチとムーディーズにも依頼している格付けについてはこれまで通り維持するとした。S&Pは今年初め、格付け費用を大幅に引き上げており、大手企業の不満が強まっている。
\『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、DAX銘柄企業の信用格付け費用は年40万~70万ユーロに上る。大量に社債を発行するなど新たな格付けが必要になれば、数百万ユーロに膨らむことも珍しくないという。
\ドイツポストのラリー・ローゼン取締役(財務担当)は、S&Pとの契約解除は「費用が高すぎるため」と明言。フィッチによる同社の格付けはBBB+で、S&Pによる格付け及びムーディーズの格付け(Baa1)と同水準にあり、S&Pのドイツポスト評価が解約の理由ではないと強調した。
\一方、ハイデルベルク・セメントは「(解約の理由は)コスト上の問題でも格付けへの不満でもない。社内事情による」と説明するにとどめ、具体的な理由を明らかにしなかった。
\