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2012/11/28

経済産業情報

魚の中枢神経系再生、炎症がスイッチに

この記事の要約

成体においても脳損傷からの回復能がある魚類で、損傷を受けた神経細胞が炎症(免疫反応)を起こすことで細胞の修復・再生プロセスが開始されることを、ドレスデン再生療法センター(CRTD)の研究チームが突き止めた。チームは脳の再 […]

成体においても脳損傷からの回復能がある魚類で、損傷を受けた神経細胞が炎症(免疫反応)を起こすことで細胞の修復・再生プロセスが開始されることを、ドレスデン再生療法センター(CRTD)の研究チームが突き止めた。チームは脳の再生に関与する酵素と遺伝子の特定にも成功。今回の研究が再生医療の発展に寄与することに期待を寄せる。

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免疫反応が魚における損傷した中枢神経系の再生を促進するか阻害するかについては、これまで見解が分かれていた。CRTDのミヒャエル・ブラント教授を中心とするチームは、この問題を解明するため、脊椎動物のモデル生物として知られるゼブラフィッシュを用いて実験を行った。

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ゼブラフィッシュの脳に酵母の粒子を注入し、脳を損傷させず炎症だけを引き起こしたところ、損傷時に神経幹細胞としての機能を果たす放射状グリア細胞(RGC)が高い頻度で分化を開始したことが観察された。次に、酵母を注入した魚を抗炎症・免疫抑制剤のデキサメタゾンを含む水溶液中に放し脳の様子を観察したところ、RGCは活性化されず、脳細胞も新生されなかった。

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チームはこれらの実験により、脂質レセプターの1種で「CysLT1-LTC4」と呼ばれる酵素が幹細胞から神経細胞への分化開始のスイッチの役割を担うこともあわせて確認した。

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また、別の研究によって、GATA3という遺伝子がゼブラフィッシュの神経細胞再生プロセスを引き起こす最初の刺激、ないしメインスイッチとして機能することも突き止めた。

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研究の成果は、『Developmental Cell』と『Science』に掲載された。

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