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2012/12/12

企業情報

Thyssenkrupp AG―過去最大の赤字に―

この記事の要約

鉄鋼系複合企業のThyssenkrupp(エッセン)は10日発表した2012年9月通期決算で、1999年の創設以来最大の最終赤字(46億6,800万ユーロ)を計上した。米国とブラジルの鉄鋼工場で総額36億ユーロの減損処理 […]

鉄鋼系複合企業のThyssenkrupp(エッセン)は10日発表した2012年9月通期決算で、1999年の創設以来最大の最終赤字(46億6,800万ユーロ)を計上した。米国とブラジルの鉄鋼工場で総額36億ユーロの減損処理を実施したこと響いた格好。欧州債務危機と世界経済の減速を受けて鉄鋼事業が振るわず、売上高と営業利益(EBITDAベース)もそれぞれ4%減の470億4,500万ユーロ、54%減の15億4,400万ユーロに落ち込んだ。

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Thyssenkruppは2006年、ブラジルに粗鋼工場、米国に圧延工場をそれぞれ建設することを決定した。米工場ではブラジルで生産した粗鋼を自動車用の高級鋼材などに加工。NAFTA(北米自由貿易協定)圏で拡大する需要を取り込む意向だった。

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だが、ブラジルの通貨高と鉄鉱石価格の高騰を受けてブラジル工場は採算が悪化し、米国工場も事業が低迷。両工場の建設コストが当初見通しの30億ユーロから120億ユーロに膨らんだこともあり、同社は現在、売却手続きを進めている。

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2013年9月期は継続事業ベースの売上高で横ばいの400億ユーロ、同営業利益(EBIT)でも横ばいの10億ユーロを見込む。

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