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2012/12/12

経済産業情報

エネルギー大手RWEがナブッコから撤退へ

この記事の要約

カスピ海周辺国の天然ガスをロシアを迂回して欧州に輸送する「ナブッコ・ガスパイプライン」計画から独RWEが撤退する意向だ。ナブッコに参加する墺同業OMVのゲルハルト・ロイス社長が7日明らかにしたもので、OMVは現在、RWE […]

カスピ海周辺国の天然ガスをロシアを迂回して欧州に輸送する「ナブッコ・ガスパイプライン」計画から独RWEが撤退する意向だ。ナブッコに参加する墺同業OMVのゲルハルト・ロイス社長が7日明らかにしたもので、OMVは現在、RWEの出資分を買い取る方向で交渉しているという。

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ナブッコには現在、両社のほか、ハンガリーのMOL、トルコのBotas、ブルガリアのBEHが参加している。RWEとOMVの出資比率はそれぞれ16.6%。OMVはRWEの出資分を買い取っても長期間、保持する考えはなく、あくまでも一時的な措置だとしている。

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ナブッコはトルコからオーストリアに至る全長3,900キロの天然ガスパイプラインで、輸送能力は年間310億立方メートル。2013年の着工、2017年の開通を目指しているが、天然ガスの調達先が十分に確保できていない。

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ロイス社長によると、RWEがナブッコから撤退するのは、黒海地域で同社独自の天然ガス田を発見できなかったためという。OMVはエクソンと共同で最近、同地域でガス田を発見しており、ロイス社長は、同ガス田をもし発見できなかったならば、OMVもナブッコ撤退を余儀なくされただろうと明言した。

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