スイスとの租税協定をめぐって開催されていた独連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)の両院協議会は12日、協定交渉を再び行うことを連邦政府に求める声明を採択した。これは同協定の批准を議会が最終的に拒否したことを意味し、スイスの銀行を利用して脱税してきたドイツの納税義務者に追徴課税して連邦(国)と州の財源に充てる計画はとん挫した格好となった。スイスは再交渉を拒否しており、新たな租税協定が実現するメドは立っていない。
\ドイツ政府は昨年9月、スイスとの租税協定に調印した。スイスの銀行を利用したドイツの納税義務者の脱税を防止することが狙いで、過去の脱税については追徴課税を実施。連邦と州にはそれぞれ30億ユーロ、70億ユーロの臨時税収が入る見通しだった。
\連邦議会は同協定を与党の賛成多数で承認したものの、州の代表で構成される連邦参議院が否決したため、両院協議会が開催されていた。与党は連邦参議院で過半数割れとなっている。
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