郵便・物流大手のDeutsche Post(ボン)が、全ドイツ自動車クラブ(ADAC)と共同で長距離路線バス事業への参入を検討している。旅客輸送法(PBefG)改正で長距離路線バス市場が2013年から大幅に緩和されることを受けたもので、参入を決定した場合は14年初めから営業を開始したい考えだ。両社が14日付のプレスリリースで明らかにした。
\改正前PBefGは1930年代に制定された。鉄道をバスとの競争から保護することを主眼としたもので、長距離路線バスの運行が認められるのは◇鉄道路線のない区間◇国際路線――などに制限されていた。しかし、連邦政府は旅客輸送市場の競争を促進するとともに、自家用車の代わりに公共バスを利用する市民を増やし環境保護を強化する狙いから規制を緩和。改正法案を11月に成立させた。事業者は当局に申請を行えば来年から全国どこでも長距離路線バス運行をできる。dpa通信によると、市場参入に関心を持つ中堅バス会社は約100社に上るという。
\Deutsche PostとADACは全国にくまなく営業インフラを持っている。また、Deutsche Postは長距離輸送と輸送車両管理の分野で長年のノウハウを蓄積しており、市場に参入すると、国内長距離路線バス市場最大手のDeutsche Bahnの手強い競合になる可能性がある。
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