菓子大手のBahlsen(ハノーバー)は14日、ドイツ市場向けクリスマス菓子の生産を来年以降も継続すると発表した。これまでは同事業を年内で打ち切る方針を示していたが、消費者などのクレームが殺到したため撤回。オーナーのベルナー・ミヒャエル・バールゼン社長は地方紙『ハノーバー・アルゲマイネ・ツァイトゥング』に対し「顧客にとってクリスマス菓子が持つエモーショナルな意義を過小評価していた」と語った。
\スーパーが手がけるプライベートブランド(PB)はクリスマス菓子市場でも台頭が著しく、メーカーは激しい価格競争にさらされて利益の確保が難しくなっている。このためBahlsenは7月末、2013年からはシュトレンやレープクーヘンなどの伝統的なクリスマス菓子を国内市場向けには生産せず、クッキーなど全シーズン用菓子に集中する方針を提示。クリスマス菓子事業は価格競争が厳しくない隣国オーストリアに絞り込む意向だった。
\クリスマス菓子には生産に向けて専用の香辛料などを特注しなければならないうえ、臨時社員も雇い入れる関係で製造コストが高いという問題がある。同社はこうした事情を踏まえ、来年からは同菓子製品の種類を削減。収益性を確保する考えだ。
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