連邦鉄道局(EBA)がこのほど発表した国内の鉄道橋に関する鑑定報告書によると、ドイツ鉄道(DB)の路線で使用する鉄道橋のうち、早急な補修工事が必要な損傷が見つかった橋は4本に1本に達した。特に傷みが目立つのは設置から100年以上が経過した古い橋で、歴史的に価値があるものも少なくないという。DBは鑑定結果を受けて、橋梁補修予算の増額を連邦政府に要求。これに対し連邦交通省は、鉄道橋建設・整備用に振り向けた補助金をDBは適切に利用していないと批判した。
\EBAの鑑定調査は、鉄橋の状態を把握するためにDBが委託したもので、全国2万7,000カ所の鉄道橋のうち256カ所を対象に行われた。また、調査では橋梁台帳などこれまでの管理記録も点検した。
\DBの鉄道網管理子会社DB Netzは連邦交通省に宛てた書簡の中で、鉄道橋の損傷の事実を認めたものの、「(通行止めなど)運行にただちに影響を及ぼすほど深刻な状態の橋は1カ所もなかった」と強調した。
\ロイター通信によると、DBは鉄道インフラ投資予算として年25億ユーロの政府補助金を受けており、このうち約5億ユーロが橋梁インフラ用に指定されている。DBは橋梁保守管理コストとして2億5,000万ユーロの自己負担を求められる。連邦交通省によると、DBの橋梁インフラ投資額は過去3年間、常に4億ユーロ未満で、補助金と自己負担を合わせた7億5,000万ユーロを大きく下回っている。
\これに対し、DB Netzの広報担当者は『Spiegel』(オンライン版)に対し「どのインフラにいくら投資するかを政府から要求されたことはない。我々はインフラの安全基準を満たすために必要な分野に投資しているだけだ」と述べて反論した。
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