自動車大手のVolkswagen(VW、ヴォルフスブルク)が同業Daimlerに委託しているデリバリーバン「Crafter」の生産を打ち切るもようだ。地方紙『ハノーバー・アルゲマイネ・ツァイトゥング』がVW関係者の情報として報じた。両社はコメントを控えている。
\VWとDaimlerは2002年、デリバリーバンを共同開発・生産することで合意。Daimlerはこれを受けて06年、Crafterと同社のトランスポーター「Sprinter」の生産を開始した。両モデルは現在、Daimlerのデュッセルドルフ、ルートヴィヒスフェルデ工場で生産している。11年の販売台数はSprinterが16万3,000台、Crafterが4万台。
\現行の共同生産契約は2016年で失効するため、両社は11年に契約更新に向けた交渉を開始した。ただ、VWは子会社化したトラック大手MANともデリバリーバンの共同開発で交渉。VWのピエヒ監査役会長はすでに、MANとの共同開発・生産を優先する意向を示唆している。
\DaimlerはVWとの共同生産が打ち切りとなった場合、戦略提携先Renault・日産と共同開発・生産に踏み切る可能性が高い。Renaultのトランスポーター「Master」と日産の「NV400」は技術的に共通ベースで作製されており、Daimlerはスプリンターとの共同化に持ち込めれば規模の効果を引き出すことができる。
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