ドイツ北部のニーダーザクセン州で20日、州議会選挙が実施され、中道左派の野党・社会民主党(SPD)と緑の党が中道右派の与党・キリスト教民主同盟(CDU)と自由民主党(FDP)を僅差で破り、過半数を制した。10年ぶりの政権交代となる見通し。国内16州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)でもSPDと緑の党が69議席中36議席を抑え過半数を獲得することになり、8カ月後に連邦議会(下院)選挙を控えるメルケル政権は手痛い敗北を喫した格好だ。
\今回の選挙で得票率が最も大きく伸びたのは緑の党で、前回の8.0%から13.7%へと5.7ポイント拡大した。全国レベルで支持者が増えていることが反映された格好。SPDは30.3%から32.6%に増えたものの、首相の給与が低すぎるとしたシュタインブリュック党首(次期連邦首相候補)の失言などが響き、伸び率は押し下げられた。
\議席獲得に必要な5%の確保が危ぶまれていたFDPは前回の8.2%から9.9%へと拡大し、同州での最高を記録した。同党が議席を失うと中道右派の政権喪失が避けられないため、連立先のCDUの支持層から票が流れ込んだことが大きい。そのしわ寄せでCDUは前回の42.5%から36.0%へと6.5ポイントも落ち込んだ。
\4党の獲得議席数はCDU54、SPD49、緑の党20、FDP14。SPDと緑の党の合計は69で、CDUとFDPの合計(68)を1議席、上回った。
\急進左派の左翼党は得票率が前回の7.1%から3.1%へと大きく落ち込み、議席を喪失した。また、2011年9月のベルリン州議会選挙から躍進が続いていた新興の海賊党は2.1%にとどまり、ニーダーザクセン州では議会進出を果たせなかった。
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