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2013/1/23

総合 - ドイツ経済ニュース

ミツバチ保護で一部農薬の禁止検討=欧州委

この記事の要約

ネオニコチノイド系農薬3種がミツバチに悪影響を与える可能性があるとの調査結果を欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)が公表したことを受け、欧州委員会は16日、これらの農薬の販売禁止も含めた対応を検討することを示唆 […]

ネオニコチノイド系農薬3種がミツバチに悪影響を与える可能性があるとの調査結果を欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)が公表したことを受け、欧州委員会は16日、これらの農薬の販売禁止も含めた対応を検討することを示唆した。

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ネオニコチノイド系農薬は、近年深刻化しているミツバチが突然大量に失踪する現象、いわゆる「蜂群崩壊症候群」との関連性が指摘されており、フランス、ドイツ、イタリアなどでは使用が制限されている。EFSAは、ネオニコチノイド系農薬がミツバチに与えるリスクを評価するよう欧州委から要請を受け、独バイエルの農薬部門クロップサイエンスが生産するクロチアニジンとイミダクロプリド、スイスのシンジェンタが手がけるチアメトキサムの3種について調査を行なっていた。

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EFSAは、ネオニコチノイドはミツバチの中枢神経系に作用して麻痺や死をもたらすと指摘。最近の研究でも亜致死量のネオニコチノイドへの暴露がミツバチの健康やコロニーに悪影響を与える危険性があることが示唆されているとして、ネオニコチノイド系農薬の使用をミツバチが寄り付かないテンサイなどの植物に限定し、トウモロコシ、ナタネ、ヒマワリへの使用を禁止すべきだなどとの見解を示した。

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欧州委のボルジ委員(保健・消費者政策担当)の広報担当者は、EFSAの調査結果について「憂慮すべき結論」との見解を示したうえで、バイエルとシンジェンタに書簡を送って対応を明らかにするよう求める方針を表明。「欧州委とEU加盟国は必要な対策を講じる」と語った。

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