化学大手の独BASF(ルートヴィヒスハーフェン)は21日、ノルウェーの不飽和脂肪酸メーカーPronova Biopharmaに対する株式公開買い付け(TOB)で株式97.7%を確保したと発表した。同90%超の確保をTOBの成立条件としていた。すでに独禁当局の買収承認を受けており、今後はスクイズ・アウト(他の株主からの強制的な株式買い上げ)を実施して完全子会社化し、Pronovaの上場を廃止する予定だ。
\BASFはPronovaに対するTOB計画を昨年11月に発表。当初は同発表前6カ月間の加重平均株価を24%上回る1株12.50クローナ(1.7ユーロ)を提示していたが、TOB期限日(1月18日)直前の15日になって13.50クローナへと引き上げた。これが決定打となったもようだ。
\Pronovaは不飽和脂肪酸の1つであるオメガ3脂肪酸の錠剤や循環器系疾患の治療薬を製造している。BASFは健康志向の高まりを背景に不飽和脂肪酸の需要が拡大していることを受けて同社を買収。オメガ3脂肪酸の世界最大手に浮上する。
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